Little Miss One-way
思いつくままに恋愛小説をつづります。 大学生同士のちょっと変わった恋愛を書いた 「いびつなハート」連載中です。
いびつなハート 1 夕方
夕焼けの赤と夜の闇が混ざり合う空をボーっと見上げながら、私はいつものようにとろとろと大学からの帰り道を歩いていた。
最近は日が落ちるのが早くなって、空気も冬のにおいがする。なにより寒さに弱い私は身を縮めながら大学の前の並木道を通り、駅の前に出た。
改札で定期を通そうとしたとき、改札からでて来た人と目が合った。
加川くんだった。
「こんにちは」
ぼーっと遠くを見ている彼の視線を捕まえるため、顔の前で手を振る。
「おう、萱野。おはよう」
加川くんは、近くまできてやっと気付き、半分寝ぼけているような声で返事をした。
彼は加川圭吾といい、大学の同級生である。背は高め、体型は細め、顔は可愛い系、おとなしめ。どこにでもいるような男の子だけど、その思慮深そうなしぐさや表情に、私は惹かれていて、ちょっと気になる存在だった。
なんとなくそのまますれ違うのも寂しいので、話しながら切符売り場の脇に移動する。
「語学の授業いなかったね。休むの何回目?」
今日の二時限目には必修の語学の授業があった。3回休むと落第で、また来年受けて、単位をとらなければいけない。
「2回目。もう休めないな」
口の端をゆがめて苦笑する顔も可愛らしい。ぽつぽつと世間話をしていると、加川くんがそういえば・・・と切り出した。
「萱野、今から時間ある?ノート写させてほしいんだけど。来週 応用数学ってテストでしょ?」
私は真面目にノートを取ってる方なので、テスト前になると必ずこの依頼を受ける。授業にちゃんと出ている人は少数派であり、みんなノートを貸したりコピーをとったりと大忙しだ。
応用数学は、自分のとったノートのみ持込を許されるテストなので、コピーはダメで、自分でノートを写さなければいけない。それにノートなしではまったく問題が解けないのだ。
「いいよ。私暇だし、写すの手伝うよ。結構量あるし」
即答して、私はうれしくなった。もう少し加川くんと一緒にいられる。偶然会ったことがすごくラッキーなことに思えた。全ページコピーをとって渡してしまえば一緒にいる必要ないけど、それはだまっておく。
「でさぁ、俺手ぶらできちゃったから、うちまで来てくれる?ごめん」
加川くんが両手を開いてお手上げポーズをしながら、申し訳なさそうにいった。
「うん、それはいいけど・・・。今から学校行くつもりだったんじゃないの?」
「夕方からの特別授業にでるつもりだったんだけどね。まあいいや」
たしか、私は受講してないけど、自由選択の芸術の授業が夕方に設定されていた。加川くんはそれに向かう途中だったようだ。
「じゃあ、いこうか。」
私はよくわからない、偶然と勢いで、加川くんの家にいくことになったのだった。
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最近は日が落ちるのが早くなって、空気も冬のにおいがする。なにより寒さに弱い私は身を縮めながら大学の前の並木道を通り、駅の前に出た。
改札で定期を通そうとしたとき、改札からでて来た人と目が合った。
加川くんだった。
「こんにちは」
ぼーっと遠くを見ている彼の視線を捕まえるため、顔の前で手を振る。
「おう、萱野。おはよう」
加川くんは、近くまできてやっと気付き、半分寝ぼけているような声で返事をした。
彼は加川圭吾といい、大学の同級生である。背は高め、体型は細め、顔は可愛い系、おとなしめ。どこにでもいるような男の子だけど、その思慮深そうなしぐさや表情に、私は惹かれていて、ちょっと気になる存在だった。
なんとなくそのまますれ違うのも寂しいので、話しながら切符売り場の脇に移動する。
「語学の授業いなかったね。休むの何回目?」
今日の二時限目には必修の語学の授業があった。3回休むと落第で、また来年受けて、単位をとらなければいけない。
「2回目。もう休めないな」
口の端をゆがめて苦笑する顔も可愛らしい。ぽつぽつと世間話をしていると、加川くんがそういえば・・・と切り出した。
「萱野、今から時間ある?ノート写させてほしいんだけど。来週 応用数学ってテストでしょ?」
私は真面目にノートを取ってる方なので、テスト前になると必ずこの依頼を受ける。授業にちゃんと出ている人は少数派であり、みんなノートを貸したりコピーをとったりと大忙しだ。
応用数学は、自分のとったノートのみ持込を許されるテストなので、コピーはダメで、自分でノートを写さなければいけない。それにノートなしではまったく問題が解けないのだ。
「いいよ。私暇だし、写すの手伝うよ。結構量あるし」
即答して、私はうれしくなった。もう少し加川くんと一緒にいられる。偶然会ったことがすごくラッキーなことに思えた。全ページコピーをとって渡してしまえば一緒にいる必要ないけど、それはだまっておく。
「でさぁ、俺手ぶらできちゃったから、うちまで来てくれる?ごめん」
加川くんが両手を開いてお手上げポーズをしながら、申し訳なさそうにいった。
「うん、それはいいけど・・・。今から学校行くつもりだったんじゃないの?」
「夕方からの特別授業にでるつもりだったんだけどね。まあいいや」
たしか、私は受講してないけど、自由選択の芸術の授業が夕方に設定されていた。加川くんはそれに向かう途中だったようだ。
「じゃあ、いこうか。」
私はよくわからない、偶然と勢いで、加川くんの家にいくことになったのだった。
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