Little Miss One-way
思いつくままに恋愛小説をつづります。 大学生同士のちょっと変わった恋愛を書いた 「いびつなハート」連載中です。
いびつなハート13 中庭にて3
一時間半のライブが終わり、私と実花は、ライブハウスの裏口で木下達を待っていた。いつも通りならこのあとバンドメンバーと見にきた友人で打ち上げに行く。打ち上げは影山くんの強い希望でいつもカラオケにいくことになっていた。パーティールームで大騒ぎだ。それにしても影山くんはあれだけライブで歌ってまたカラオケに行くのだから歌うのがとても好きなんだな、と感心する。とはいえ二、三時間もすると誰も曲を入れなくなり、しゃべり、飲んで騒いで夜が明ける。
少しするとまず木下が出てきた。おう、とそっけなく挨拶をする。あきらかにかっこつけている。きっとバンドモードなのだ。実花が
「お疲れ様!」
と弾んだ声でいった。実花は普段のおちゃらけた木下も好きだけど、きっとこのイケメンモードの木下がすごい好きなんだと思う。いつもとはしゃぎっぷりが違う。
つづいて清水谷くんと影山くんが出てくる。影山くんが
「今日はありがとう☆」
ととびっきりの笑顔で私たちに言った。実花も私も思わずメロメロだ。清水谷くんもつづいて照れた感じで会釈をした。
そのあと玲くんと軽音部の後輩たちが出てきた。後輩たちはPAINというギターボーカル、べース、ドラムの三ピースのパンクバンドをやっている。玲くんになついていて、いつもライブの手伝いをしている。玲くんも私たちに
「ひさしぶり、いつもきてくれてありがとね」
と声をかけてくれた。
そうこうしているうちにメンバー四人と実花と私、それから軽音部の後輩三人と、いつものメンツがそろった。すると木下が
「今日、加川もくるからもうすこしまってな。なんか後輩つれてくるって言ってた」
といった。ああ、やっぱりくるんだ、ともやもやとした気持ちになる。黒髪美人と加川くんのツーショットを思い出して心臓のあたりがぎゅうっと痛くなった。
そこにぴろりろりーん、と間抜けな着信音が響く。木下が携帯に出た。
「え? うんうん、そうそう、そこ右ね。みんないるからわかるよ」
少し話すと電話を切り
「加川だった。もうすぐ来る……」
と言って遠くを見て固まった。木下が向いている方向を見ると、加川くんと例の黒髪美人が歩いてきていた。
「レイコ……」
木下がつぶやく。え、あの子と知り合い? と思っていると清水谷くんが
「たしかに、レイコちゃんに似てるね」
といった。木下と清水谷くんの知り合いに似ていたみたいだ。でも木下のこの反応はちょっと普通じゃない気がする。実花を見ると木下を見つめ困惑した表情を浮かべている。
「ごめん、みんなお待たせ」
加川くんが私たちを見つけて駆け寄ってきた。隣の女の子を指して
「フットサルサークルの後輩のえり。バンドとか興味あるっていうから連れてきた」
「はじめまして。北園えりです。今日はすごいよかったです。もうノリノリになっちゃいました」
と、瞳をキラキラさせて自己紹介する。すごく儚げでかわいい。影山くんが真っ先に
「今日はありがとう、ボーカルの影山です☆」
とイケメンオーラ全開で自己紹介する。しかも
「ところで加川とはただのサークル仲間なの?」
と聞きにくいことにいきなりズバリ突っ込んだ。だがさわやかにサラっと聞くせいか、さほど不躾な感じはしない。
「そんなんじゃねーよ」
加川くん苦笑しながら答える。えりは静かに笑っている。即座に玲くんが
「じゃあ、まだ俺にもチャンスあるってことでいい?」
といい、みんなが爆笑したところで、カラオケに移動することになった。
カラオケに向かう間、いつもは盛り上げ役の木下がとにかくぼーっとしているのが気になっていた。さっきのえりを見た時の反応はなんだったんだろう。
14へ
少しするとまず木下が出てきた。おう、とそっけなく挨拶をする。あきらかにかっこつけている。きっとバンドモードなのだ。実花が
「お疲れ様!」
と弾んだ声でいった。実花は普段のおちゃらけた木下も好きだけど、きっとこのイケメンモードの木下がすごい好きなんだと思う。いつもとはしゃぎっぷりが違う。
つづいて清水谷くんと影山くんが出てくる。影山くんが
「今日はありがとう☆」
ととびっきりの笑顔で私たちに言った。実花も私も思わずメロメロだ。清水谷くんもつづいて照れた感じで会釈をした。
そのあと玲くんと軽音部の後輩たちが出てきた。後輩たちはPAINというギターボーカル、べース、ドラムの三ピースのパンクバンドをやっている。玲くんになついていて、いつもライブの手伝いをしている。玲くんも私たちに
「ひさしぶり、いつもきてくれてありがとね」
と声をかけてくれた。
そうこうしているうちにメンバー四人と実花と私、それから軽音部の後輩三人と、いつものメンツがそろった。すると木下が
「今日、加川もくるからもうすこしまってな。なんか後輩つれてくるって言ってた」
といった。ああ、やっぱりくるんだ、ともやもやとした気持ちになる。黒髪美人と加川くんのツーショットを思い出して心臓のあたりがぎゅうっと痛くなった。
そこにぴろりろりーん、と間抜けな着信音が響く。木下が携帯に出た。
「え? うんうん、そうそう、そこ右ね。みんないるからわかるよ」
少し話すと電話を切り
「加川だった。もうすぐ来る……」
と言って遠くを見て固まった。木下が向いている方向を見ると、加川くんと例の黒髪美人が歩いてきていた。
「レイコ……」
木下がつぶやく。え、あの子と知り合い? と思っていると清水谷くんが
「たしかに、レイコちゃんに似てるね」
といった。木下と清水谷くんの知り合いに似ていたみたいだ。でも木下のこの反応はちょっと普通じゃない気がする。実花を見ると木下を見つめ困惑した表情を浮かべている。
「ごめん、みんなお待たせ」
加川くんが私たちを見つけて駆け寄ってきた。隣の女の子を指して
「フットサルサークルの後輩のえり。バンドとか興味あるっていうから連れてきた」
「はじめまして。北園えりです。今日はすごいよかったです。もうノリノリになっちゃいました」
と、瞳をキラキラさせて自己紹介する。すごく儚げでかわいい。影山くんが真っ先に
「今日はありがとう、ボーカルの影山です☆」
とイケメンオーラ全開で自己紹介する。しかも
「ところで加川とはただのサークル仲間なの?」
と聞きにくいことにいきなりズバリ突っ込んだ。だがさわやかにサラっと聞くせいか、さほど不躾な感じはしない。
「そんなんじゃねーよ」
加川くん苦笑しながら答える。えりは静かに笑っている。即座に玲くんが
「じゃあ、まだ俺にもチャンスあるってことでいい?」
といい、みんなが爆笑したところで、カラオケに移動することになった。
カラオケに向かう間、いつもは盛り上げ役の木下がとにかくぼーっとしているのが気になっていた。さっきのえりを見た時の反応はなんだったんだろう。
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