Little Miss One-way
思いつくままに恋愛小説をつづります。 大学生同士のちょっと変わった恋愛を書いた 「いびつなハート」連載中です。
いびつなハート21 クリスマス3
公園では路上ライブをしている人たちが何人かいて、木下と清水谷くんが俄然興奮しだした。すぐ目の前でベース、キーボード、ドラム、ギターボーカルの四人組のバンドが準備をしていた。機材を見て木下が言う。
「充電式のアンプかぁ。俺も買おうかな」
「木下路上ライブなんかするの? ベース一本で? はなわ?」
すかさず実花が突っ込みを入れる。
「俺だってギターぐらい弾けるよ。ていうかミドルガーデンでやるかもしれないだろ」
「あんなうるさい曲ばっかのバンド路上で出来ねえよ」
清水谷くんも苦笑いで会話に加わる。そんな感じで盛り上がっていたとき、突然呼びかける声が響いた。
「芸くん!? 譲二!?」
路上ライブの準備をしていた女の子がサラッとショートカットの黒髪を揺らしてこちらを向いた。高さを調整していたらしいマイクスタンドをそのままにして駆け寄ってくる。
「レイコ……!」
「レイコちゃん!」
木下は顔を真っ赤にして固まっている。清水谷くんも驚いた表情で駆け寄ってくる子を見つめていた。この前清水谷くんが言っていたえりに似ているという「レイコちゃん」らしい。顔自体はそこまで似ていないみたいけど、体型とか全体の印象がたしかに似ている。レイコちゃんは駆け寄ってくると懐かしそうに言った。
「三年ぶりかな? 二人とも元気だった? いまみんなこっちにいるんだね!」
「うん、俺らは大学がこっちなんだ。レイコちゃんがいるなんてびっくりしたよ。髪切っちゃったんだね」
清水谷くんもニコニコと応じる。
「私あのころいろいろあってさ、学校やめて逃げちゃった。こっちにいる友達頼って来てね。今はバンドとアルバイトしながら一人で暮らしてるんだ」
ちょっと寂しそうな顔でレイコちゃんが言う。
「そうだよお前連絡もなくいなくなってさ! なんか言っていけよ」
そこで初めて木下が口を開いた。ちょっと怒ったような、ふざけたような口調だけどレイコちゃんを見つめる目は真剣だった。
「えへへ、ごめんね」
レイコちゃんも茶化すような言い方で答えた。でも木下を見つめ返す目は真剣だった。
「あ、デート中だよね。邪魔してごめんね。また連絡するから。あと三十分でライブ始まるからよかったら見てね」
二人に漂った微妙な空気を振り払うように、レイコちゃんはそう切り出すと二人と連絡先を交換して戻って行った。
「声とか、雰囲気とか、えりちゃんに似てるね。あれで髪長かったらそっくり」
レイコちゃんの後ろ姿を見送りながら、独り言のように実花がつぶやいた。
22へ
「充電式のアンプかぁ。俺も買おうかな」
「木下路上ライブなんかするの? ベース一本で? はなわ?」
すかさず実花が突っ込みを入れる。
「俺だってギターぐらい弾けるよ。ていうかミドルガーデンでやるかもしれないだろ」
「あんなうるさい曲ばっかのバンド路上で出来ねえよ」
清水谷くんも苦笑いで会話に加わる。そんな感じで盛り上がっていたとき、突然呼びかける声が響いた。
「芸くん!? 譲二!?」
路上ライブの準備をしていた女の子がサラッとショートカットの黒髪を揺らしてこちらを向いた。高さを調整していたらしいマイクスタンドをそのままにして駆け寄ってくる。
「レイコ……!」
「レイコちゃん!」
木下は顔を真っ赤にして固まっている。清水谷くんも驚いた表情で駆け寄ってくる子を見つめていた。この前清水谷くんが言っていたえりに似ているという「レイコちゃん」らしい。顔自体はそこまで似ていないみたいけど、体型とか全体の印象がたしかに似ている。レイコちゃんは駆け寄ってくると懐かしそうに言った。
「三年ぶりかな? 二人とも元気だった? いまみんなこっちにいるんだね!」
「うん、俺らは大学がこっちなんだ。レイコちゃんがいるなんてびっくりしたよ。髪切っちゃったんだね」
清水谷くんもニコニコと応じる。
「私あのころいろいろあってさ、学校やめて逃げちゃった。こっちにいる友達頼って来てね。今はバンドとアルバイトしながら一人で暮らしてるんだ」
ちょっと寂しそうな顔でレイコちゃんが言う。
「そうだよお前連絡もなくいなくなってさ! なんか言っていけよ」
そこで初めて木下が口を開いた。ちょっと怒ったような、ふざけたような口調だけどレイコちゃんを見つめる目は真剣だった。
「えへへ、ごめんね」
レイコちゃんも茶化すような言い方で答えた。でも木下を見つめ返す目は真剣だった。
「あ、デート中だよね。邪魔してごめんね。また連絡するから。あと三十分でライブ始まるからよかったら見てね」
二人に漂った微妙な空気を振り払うように、レイコちゃんはそう切り出すと二人と連絡先を交換して戻って行った。
「声とか、雰囲気とか、えりちゃんに似てるね。あれで髪長かったらそっくり」
レイコちゃんの後ろ姿を見送りながら、独り言のように実花がつぶやいた。
22へ
Comment
こんにちは
Re: こんにちは
コメントありがとうございます。
お話のペースも更新もゆーっくりなんですが
よろしくおねがいしますです。
蒼さまのところにもまたお邪魔します
お話のペースも更新もゆーっくりなんですが
よろしくおねがいしますです。
蒼さまのところにもまたお邪魔します

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いびつなハート

別便遅らせていただきましたので 今後とも宜しくお願いします^^
また作品 読ませてもらいにきますね。
続き楽しみにしてます。