Little Miss One-way
思いつくままに恋愛小説をつづります。 大学生同士のちょっと変わった恋愛を書いた 「いびつなハート」連載中です。
いびつなハート22 クリスマス4
「さっきの子、レイコっていって俺と清水谷の地元の知り合いでさ、今日偶然四年ぶりぐらいに会ったんだけど。今から路上ライブやるみたいで……急だけどちょっと見ていきたいんだけどいい?」
いつになく申し訳なさそうに木下が私たちに聞いた。
「もちろん、かまわんよ」
ちょっとふざけて実花が答える。私ももちろんOK、ということで路上ライブを見ていくことになった。
レイコちゃんのバンドは「ダークチェリー」というバンドで、レイコちゃんはギターボーカル、その他のメンバーは皆男の子だ。演奏が始まるとレイコちゃんの力強い声がPランド全体に響いた。曲は軽快なものからバラードまで幅広い。
「……演奏うまいな」
「……うまいね。本格的にやってるんだね」
私にはわからなかったけど、木下と清水谷くんは演奏のレベルの高さに驚いたようだ。自分たちと比べてちょっと悔しいみたいだ。私と実花そっちのけで真剣に演奏を聴いてはぽつぽつと話し合っている。
実花はなんとなく、いろんなことを感じとったらしい。黙って演奏に聴き入っている。
私はというと、じっくりと聴けば聴くほど、レイコちゃんの歌が素晴らしいので、いろいろ考えるのをやめて演奏を堪能していた。
「ダークチェリーでした。ありがとうございました!」
レイコちゃんの締めの一言で路上ライブが終わった。ぱらぱらと拍手が鳴り出し次第に大きくなっていった。私達も大きく拍手する。
「ごめんね、急に止まっちゃって。行こうか」
拍手が治まると、清水谷くんがそう切り出した。辺りを見ると少しずつ日が翳り始めていた。
「ううん、大丈夫。すごくよかった。ね、実花?」
「うん、もともとこうゆうの嫌いじゃないし!」
実花もにっこりと答えた。
「ところで今からあれ、乗らない?」
実花が大きな観覧車を指差していった。
「そろそろイルミネーションも点くし、綺麗だよ」
全員賛成で乗り場にいくと、さすがにクリスマスの夜とあって、長蛇の列ができていた。チケットを買って乗り場まで続く鉄骨の階段に並ぶ。
さすがに日が翳ってくると冷えてきた。少しだけ列から外れ、階段の手すりに両腕を掛け、遠く夕日に染まった空を見ながら冬の昼は短いなあ、とか考えていると、実花がこそこそ声で話しかけてきた。
「あのさ、ここの観覧車四人乗りだけど、私木下と二人で乗りたい」
まあ、何人乗りでもそうなるだろうと思っていたけど。ちょっと清水谷くんと二人っきりは緊張するなあと思いつつ、ここは実花のため一肌脱ぐことにする。
「了解。先に木下引っ張って乗っちゃって」
こくこくと実花が頷きながら列に戻っていく。私もあとに続く。
私たちの順番が来るころには、あたりはすっかり薄暗くなっていた。イルミネーションも点灯し始めたようだ。実花と木下がひとつ前のゴンドラに乗って離れていった。手を振って見送ると、私と清水谷くんもゴンドラに乗った。
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いつになく申し訳なさそうに木下が私たちに聞いた。
「もちろん、かまわんよ」
ちょっとふざけて実花が答える。私ももちろんOK、ということで路上ライブを見ていくことになった。
レイコちゃんのバンドは「ダークチェリー」というバンドで、レイコちゃんはギターボーカル、その他のメンバーは皆男の子だ。演奏が始まるとレイコちゃんの力強い声がPランド全体に響いた。曲は軽快なものからバラードまで幅広い。
「……演奏うまいな」
「……うまいね。本格的にやってるんだね」
私にはわからなかったけど、木下と清水谷くんは演奏のレベルの高さに驚いたようだ。自分たちと比べてちょっと悔しいみたいだ。私と実花そっちのけで真剣に演奏を聴いてはぽつぽつと話し合っている。
実花はなんとなく、いろんなことを感じとったらしい。黙って演奏に聴き入っている。
私はというと、じっくりと聴けば聴くほど、レイコちゃんの歌が素晴らしいので、いろいろ考えるのをやめて演奏を堪能していた。
「ダークチェリーでした。ありがとうございました!」
レイコちゃんの締めの一言で路上ライブが終わった。ぱらぱらと拍手が鳴り出し次第に大きくなっていった。私達も大きく拍手する。
「ごめんね、急に止まっちゃって。行こうか」
拍手が治まると、清水谷くんがそう切り出した。辺りを見ると少しずつ日が翳り始めていた。
「ううん、大丈夫。すごくよかった。ね、実花?」
「うん、もともとこうゆうの嫌いじゃないし!」
実花もにっこりと答えた。
「ところで今からあれ、乗らない?」
実花が大きな観覧車を指差していった。
「そろそろイルミネーションも点くし、綺麗だよ」
全員賛成で乗り場にいくと、さすがにクリスマスの夜とあって、長蛇の列ができていた。チケットを買って乗り場まで続く鉄骨の階段に並ぶ。
さすがに日が翳ってくると冷えてきた。少しだけ列から外れ、階段の手すりに両腕を掛け、遠く夕日に染まった空を見ながら冬の昼は短いなあ、とか考えていると、実花がこそこそ声で話しかけてきた。
「あのさ、ここの観覧車四人乗りだけど、私木下と二人で乗りたい」
まあ、何人乗りでもそうなるだろうと思っていたけど。ちょっと清水谷くんと二人っきりは緊張するなあと思いつつ、ここは実花のため一肌脱ぐことにする。
「了解。先に木下引っ張って乗っちゃって」
こくこくと実花が頷きながら列に戻っていく。私もあとに続く。
私たちの順番が来るころには、あたりはすっかり薄暗くなっていた。イルミネーションも点灯し始めたようだ。実花と木下がひとつ前のゴンドラに乗って離れていった。手を振って見送ると、私と清水谷くんもゴンドラに乗った。
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