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Little Miss One-way

思いつくままに恋愛小説をつづります。 大学生同士のちょっと変わった恋愛を書いた 「いびつなハート」連載中です。

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2009/05/24

いびつなハート 27 つのる想い

「俺らどうせみんな家近いんだからさ、家飲みにしようぜ」
 神社から駅に向かって歩く道すがら、木下がそう言いだした。
「じゃあ言い出しっぺの木下の家に行こうよ」
 尾崎くんが言い、私と加川くんが賛成した。
「俺んちかよ。汚いけど我慢しろよ。俺バイクだから先行くぞ」
 木下は駐輪場のほうに歩きだした。
「木下、おれも後ろに乗せて」
 尾崎くんが木下を追いかける。
「じゃあチェック帽組は歩きで来いよ」
 そう言うと、木下と尾崎くんは後ろ手で手を振りながら遠ざかって行った。残された加川くんと私は歩きで木下の家に向かう。木下の家はここから十分ほど歩いた学校の近くのアパートだ。私も加川くんも行ったことがあって覚えていた。
 久しぶりに会えて、うれしい。二人になるとじわじわとその実感がわいてきた。できればゆっくりゆっくり歩きたい。そう思ったけど加川くんの歩く速度は思いのほか早くて、私は少し早足になる。追いかけるようにして歩いていると、いきなり加川くんが立ち止まった。勢いが付いていた私はぶつかりそうになる。急に加川くんとの距離が縮まる。加川くんが私の腕をぎゅっと引き寄せた。直後、すぐ横を車がすり抜けていった。後ろから車が来ていたのに、加川くんの後を付いていくのに必死で気付かなかったみたいだ。
「危なっかしいなあ」
 口の端を上げるいつもの笑い方で、加川くんが言った。つかまれている腕が熱い。心臓がぎゅうとして、顔が火照っているのがわかった。まともに顔が見れない。
「車来るから、こっち」
 そう言ってまた腕を引かれ、車通りの少ない横道に入るとき、加川くんの顔が近づいてきて、唇が触れた。柔らかくて冷たい感触。
「変な顔してるなよ、こうしたくなるだろ」
 すぐにそっぽを向いて呟くように言う。
「へ、変な顔はもともとだし」
 そう答えながら、今のキスのせいで気持ちがあふれてきて、どうしようもなかった。気持ちを抑えつけるように、力をこめて加川くんの手を握る。
「うわ、つめてっ」
 そう言って加川くんも手を握り返してきた。不思議とどきどきが落ち着いてくる。気持ちが充電されていく感じだ。
 もうすぐ木下の家が見えてくる。加川くんの早足は気付かないうちに私と同じ速度になっていた。
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