Little Miss One-way
思いつくままに恋愛小説をつづります。 大学生同士のちょっと変わった恋愛を書いた 「いびつなハート」連載中です。
いびつなハート 5 遭遇
すっかり寒くなったある日の午後、友人の孤高のベーシスト木下と駅前のファーストフード店に入ってボーっと外を見ていたときにそれを見つけた。
木下はずっとレッチリのフリーがどうの、スラップがどうのとベースの話をしていたけど、私は楽器がまったく弾けないのでよくわからなかった。私の適当な相槌をよそに、彼は一人で盛り上がっていた。でもそういうところが結構好きで、一緒にいるのは心地よい。
で、何を見つけたかといえば、加川くんが女性と歩いている姿だった。腕を組んでいるから、親しい仲なのだろう。色が白く、長い黒髪がなびくスレンダー美人だ。
私はこんな事態においても、なんとなくやっぱり、という感じがしただけで、そこまでショックは受けなかったと思う。ただ彼女が自然に腕を組んでるのが羨ましいと思った。
歩いている加川くんが自然にこちらを向きそうになり、あわてて目を逸らし、アイスコーヒーを啜る。木下は、向き直ると、今まで私がそっぽを向いていたことに今気づいた様子で
「おい、きいてんのか。」
と片手で私の両頬をつかんで、タコのような顔になった私をちょっとにらむと、さらに話を続けた。一応聞いていて欲しいらしい。また適当に相槌をうちながら、やっぱり木下に触られるのとは全然違うな、などと関係ないことを考えていた。
木下はひとしきり語ったことで満足したのか腕時計をちらりとみると
「そろそろいくか、付き合わせて悪かったな」
といった。反応が薄かったことで木下が不快になっていないかちょっと心配になり、
「ううん、ベースの話、おもしろかった。今度またライブに呼んでよ。」
と答えた。私はライブに行くのが好きなのでただの社交辞令ではない。
木下はこれから駅前のスタジオで練習ということでファストフード店の前で別れた。私は本屋にでもよって帰ろうと駅ビルのエレベーターにに向かった。
エレベーターの上ボタンを押すと、階数表示B1から1に変わり、ドアが開く。
そこには加川くんが乗っていた。
6へ
木下はずっとレッチリのフリーがどうの、スラップがどうのとベースの話をしていたけど、私は楽器がまったく弾けないのでよくわからなかった。私の適当な相槌をよそに、彼は一人で盛り上がっていた。でもそういうところが結構好きで、一緒にいるのは心地よい。
で、何を見つけたかといえば、加川くんが女性と歩いている姿だった。腕を組んでいるから、親しい仲なのだろう。色が白く、長い黒髪がなびくスレンダー美人だ。
私はこんな事態においても、なんとなくやっぱり、という感じがしただけで、そこまでショックは受けなかったと思う。ただ彼女が自然に腕を組んでるのが羨ましいと思った。
歩いている加川くんが自然にこちらを向きそうになり、あわてて目を逸らし、アイスコーヒーを啜る。木下は、向き直ると、今まで私がそっぽを向いていたことに今気づいた様子で
「おい、きいてんのか。」
と片手で私の両頬をつかんで、タコのような顔になった私をちょっとにらむと、さらに話を続けた。一応聞いていて欲しいらしい。また適当に相槌をうちながら、やっぱり木下に触られるのとは全然違うな、などと関係ないことを考えていた。
木下はひとしきり語ったことで満足したのか腕時計をちらりとみると
「そろそろいくか、付き合わせて悪かったな」
といった。反応が薄かったことで木下が不快になっていないかちょっと心配になり、
「ううん、ベースの話、おもしろかった。今度またライブに呼んでよ。」
と答えた。私はライブに行くのが好きなのでただの社交辞令ではない。
木下はこれから駅前のスタジオで練習ということでファストフード店の前で別れた。私は本屋にでもよって帰ろうと駅ビルのエレベーターにに向かった。
エレベーターの上ボタンを押すと、階数表示B1から1に変わり、ドアが開く。
そこには加川くんが乗っていた。
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